2019/02/25

じいちゃん、ばあちゃんの家が好き

そう思い始めたのは一人暮らしを始めるようになってから。

 

なんてことのない平屋で広くも新しくもないんだけど、住みやすいように工夫が施されている家。

庭には木が植えてあり、晴れた日にポカポカになる縁側には布団が並べて干されている。(小さい頃はその布団にダイブして怒られてた)

生きている家だなって思う。じいちゃんとばあちゃんと一緒に息をして、死ぬ時は一緒に死んでしまう家。 

 

昨日はね、ばあちゃんのお誕生日。喜寿だってさ。もうそんな歳なんだね(人の年齢・誕生日を全く覚えられないわたし…)

そら毎日どこそこ痛くなるわけだ

安いロールケーキに7の数字ローソク2本。たったそれだけなんだけど、喜んでくれて、ほっとする。

f:id:yorunotobarie:20190225201526j:image

 

わたしに「見返りのない無償の愛情」を教えてくれたのは、正直に言えば、じいちゃんばあちゃんです。

家事はしなくていいし、美味しくないものは美味しくないと言っていいし、褒められることをしなくてもいい。当たり前かもしれないけど、当時のわたしにとっては身に余るほどの自由だった。その自由に恐怖さえ感じていた。

 

大人になったいま、学生のころには考えもしなかったことに頭を抱えたり、涙の出ない悲しみに襲われることもある。

でも、どれだけ私が苦労しても、世の中は回る。顔色ひとつ変えずにいつも通り接してくれる人がある。

そんな世の中に、そんな人たちに、救われることもある。いつ電話しても、「今日はなんだか足が痛くてね…」というおばあちゃんの声に飽き飽きしながらも平穏を感じて、ホッとしている。

 

立派な人になんてならなくったっていいし、欠点だらけでもいいけど、誰かにとっての私であれば嬉しいなって思う。わたしにとってのじいちゃんばあちゃんのように。

一人暮らしも飽きてきたし、そろそろ一緒に生活をできる人が欲しいなぁ、なんて思いながらのひとり酒です。